2008年11月26日水曜日

金融危機と投資銀行

以前に、投資銀行業界にご興味のある方に対するブログを御紹介しましたが、その著者の本も下記で御紹介致します。

リーマン恐慌

サバイバルとしての金融―株価とは何か・企業買収は悪いことか (祥伝社新書)

投資銀行―日本に大変化が起こる

プロジェクト・コード

世界一受けたい株の授業―投資のプロが教える「王道株」投資! (別冊宝島 (1302))

別冊宝島『間違いだらけの株えらび』 (別冊宝島 (1266))


なお、 「株式がアンダーバリューされているので、今、買うべきだ」という方が良くいらっしゃいますが、『リーマン恐慌』をお読みになると、考えが変わるかもしれません。

2008年11月8日土曜日

課外活動が始まる

スタンフォードMBAでは、はじめの6週間は、学業に専念させるポリシーをとっており、この間学生が課外活動等をすることは禁止されています。

中間試験の終了とともに、6週間が終わると、一気に課外活動が始まりました。毎日ほぼ必ずCEO、アントレプレナー、VC等の卒業生がキャンパスを訪れて学生に経験を語られます。私自身も中間試験終了後今までほぼ毎日上記の卒業生の方々(多い日には一日約10人)にお会いして多くを学ぶことができています。

私にとっては、クリーンテクノロジーやバイオテクノロジーのVCの方々にお会いして業界の様子が分かってきたことや、アントレプレナーの方々の経験を伺い、アイディアの詰め方、チームの選び方のプロセス等を伺うことができたのは興味深い経験でした。

アントレプレナーの方々は、家庭用ソーラーパネルの販売、ダイヤモンドの販売、ITを利用した新しい教育システム等々個性的なビジネスでどれも興味深かったのですが、特に面白いと感じたビジネスとしては、レインフォレストアライアンスなる企業がありました。この企業は、発展途上国の農家の方々にコンサルをして、森林の焼却によって畑を作る旧来のビジネスを変化させて、より自然に優しく効率的な農業の方法を指導するとともに、当該農家の方々のプロダクトを利用し、かつ、トレーサビリティのある大企業の製品にサーティフィケートを発行します。大企業(スターバックスなど)にとっては、CSRをプロモーションでき、農家の方々にとっては、効率の良いビジネスをすることができるとともに大企業とビジネスをすることができ、かつ、地球環境に優しい(農業は、大地の約3割を占めているので重要です)ので、ウィンウィンのシチュエーションを構築できます。この企業は、サーティフィケートを利用する大企業から商標利用のライセンス料を取得していないのですが、料金をとってビジネスを拡大するとともにブランドを確立するのに利用した方が良い(ブランドがあるほど大企業にとってサーティフィケートを利用するインセンティブができると思いましたので)のではないか質問したところ、余り考えられていないようでした。その他には、クリーンテクノロジーのアントレプレナーの方が、グロースベック教授のケースライターだったことが、サーチファンドや起業の際に、いかに役にたったのか語られれているのが印象的でした(例えば、投資家と会うときにも、ケースを書いていたので、シリコンバレーの各起業家の逸話を語るところから話を始めることができ、印象を残すことができたのが大きかったそうです)。卒業生の方々は、CEO等の高いポジションにあるのにかかわらず、非常に親切かつ懇切丁寧に学生に対応して下さり、大変勉強になります。

英語漬けになっているので、ブログの日本語の文法が変で冗長な気がしますが、御容赦下さい。

2008年11月4日火曜日

Stanford MBA留学:なぜMBAですか

そういえば、「なぜMBA?」エッセイをどう書くかについて、十分に議論していませんでした。

最初のステップは、10年後に何をしたいかを考えるところから始まるのが通常です。

「何に情熱を感じるか、何に興味があるか」「何を実現したいのか」「どういうValueがあるのか」といったことを考えていくのが一般的だと思います。

例えば、
「何に情熱を感じるのか、何に興味があるのか」=>「すべての情報を自分のパソコンにダウンロードしたい」OR「貧しい人の生活をよくすることに興味がある」
「何を実現したいのか」=>「すべての情報を検索できるようにしたい」OR「マイクロファイナンスにすべての人の手が届くようにしたい」
「どういうValueがあるのか」=>「小さい会社で働く方が好き」OR「夕方5時までしか働きたくない」
といった感じで皆さん考えていく人が多いと思われます。

もちろん、実際のエッセイでは、実現可能に見えないといけないので、どのようにして上記を実現するのか、ということを具体的に書いていき(例:ネットインパクトやキバのようなマイクロファイナンスウェブの利用)、いらない情報(例:夕方5時までしか働きたくない)をそぎ落とすことになると思われます。

ここで、ValueとPassionが、相反してしまう場合には、Passionがその方にとってどこまで大切か(Valueを短期的にあきらめるほどか)が試されることになると考えられているようです。

上記を考えるにあたって、色々な業界の知識を得ることは重要だと思われます。コンサルなどは、各コンサル企業のウェブサイトで情報が手に入りますが、情報の少ない業界もあると思われます。
とりあえず、ウェブ上で簡単に手に入る情報として、有名なものとしては、以下があります。(本や更なる情報についてはまたの機会にご紹介させて頂きたいと思います)

・投資銀行(もとMDの方のブログ。本も紹介されています)
・クリーンテクノロジー(もとクライナーパーキンスのVCの方のサイト)

2008年11月3日月曜日

Stanford MBA 留学:何が一番大事ですか。卒業生からの手紙

Stanford MBAの「何が一番大事ですか」というエッセイの重要性、エッセイでStanfordのカルチャーにフィットしていることの重要性については以前に書かせて頂きました。

Stanfordの学生の間で伝統的に20年の間、受け継がれている手紙があるのですが、上記を考えるうえで参考になると思いますので、一部を以下に紹介させて頂きます。

"No one on his/her deathbed has been known to say, "I wish I had calculated a few more NPVs." Some have been known to wish they had taken a few more chances, loved a few more people, touched a few more lives, fought for a few more causes, caused a few more smilses." (Shirzad Bozorgchami, MBA '88)